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和の経営「古代日本から一貫して流れる思考法」 その1

古代から 一貫して流れる 日本人の思考法を考察するそれが「統貫史法」です。
統貫史法」とは、古代から一貫して流れる 日本人の思考法を、歴史的視点から考察する捉え方です。

「和の経営シリーズ」は、
私がご指導いただいている京都の東洋史観の先生、「亀山眞一先生」からの投稿いただいたものです。
日本を離れ世界で活躍されている皆さまに忘れて欲しくない日本人の経営の原点なのでお伝えしたいと思います。

『古事記』や『日本書紀』等に書かれている 古来から続く日本人の考え方を考察し、
今後どうすべきか、未来に向けての検証を歴史的視点から捉える事ができます。

《自分とは何か》を考察する前に、自分とは日本人である。それでは、日本人とは一体何者なのか。日本人としての意識を持ち、
和の心に基づく行動を実践することに自負心を抱き、正々堂々と行動していけるなら、
グローバリズムの時代になろうとも、この国の未来は確かなものとなるのではないかと願っております。

以下、亀山先生に寄稿いただきました文章を掲載させていただきます。


未来考察には2つの方法があります。

時代の捉え方には「極大論」と「極微論」があり、マクロとミクロという両面から考察をしていきます。
極大論は世の中を包括的に見る事で未来考察を行うこと、
極微論は個々の人間の人生における未来を考察することである。
私の担当する分野は、極大論であり、世界、東アジア全体の地政的流れを捉え、
日本人がこれからどう歩むのか、包括的な視点からの考察を検証していきます。

日本の行く末を考察するにあたり、まず歴史を振り返ってみることから始めます。

国民の思考傾向を検証するのに、歴史的流れを把握する事は最も大切な検証法であり、
国民行動は、民族に流れている文化的背景に大きく支配されています。
特に日本のような単一民族は、個々の考え方は違えども、
その場の空気に従う傾向があるため、日本のこれからの動きを知るには重要な観点になります。

日本人としてのモラルや概念とは何か?いかにして形成されたのか?
そこに矛盾と違和感・ストレスを感じる人もいらっしゃるだろうが、
そのモラルの正体を的確に把握することは、ストレスケアにも重要な要素です。

日本は古来より大陸から、儒教・仏教・道教など様々な文化が渡来してきた
《文化の吹き溜まり》の様な地です。

東は太平洋が拡がる極東の地である為、
西から伝来してきた文化を次の地へと伝承できず、堆積してきました。
勿論、全てを取り入れることなど出来ない為、
国民性と合うものだけが選択され、融合し独自の文化を構築してきました。

その為、温和な民族性を持ちながら、風土に合うものしか選択しないという堅固な一面も持ち、
それが日本の国民性を形成しているのです。

それでは、すべての日本人の根底にある思想は何だろうか。

《正しきを養い 慶びを積み 暉(ひかり)を重ねる》という神武建国の理想こそが、日本人の思想原点です。

神武天皇の理念を、実践しようと行動したのが第16代仁徳天皇です。

天皇(皇帝)制度とは、古代中国の三皇五帝を理想とし制度化したもので、
天皇の名はそもそも諡号(しごう)、生前の事績への評価に基づき死後に付けられる贈り名です。
仁徳という諡号からも分かる通り、聖帝としての評価が高い天皇でした。

国民の貧しい生活をみて、自ら住む皇居の雨漏りの補修も遠慮され、
三年間租税を免除しながら、福祉公共事業を行いました。
その後経済は復興、民の窯から炊煙が立ち上る様子をみて、
自らは貧しくとも、民が平穏で豊かな生活が送ることで、
「朕は富めり」と仰れ、この姿勢こそ、現在の天皇の中にも継続されている日本独自の民主主義的思想です。

この理念を理想化し制度化しようとしたのが、聖徳太子です。
聖徳太子はこの理念を憲法十七条で立法化、冠位十二階の制度を作り、
日本の政治体制を確立しようとしました。

蘇我氏の妨害もあったが、中大兄皇子(後の天智天皇)や中臣鎌足(後の藤原鎌足)による、
大化の改新でその理念を政治において実現し、律令制を施行、
それまで蘇我氏など飛鳥の豪族を中心とした貴族政治から
天皇中心の政治へと変遷した大きな時代の分岐点となります。

さて、次回はこの大きな時代の分岐点を境に
どのような人物が、何を行ったのかを記していきたいと思います。

最後までお読み下さりありがとうございました。

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