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言志四録から学ぶ② 第16条~30条

悩める社員に、志を持たせて前に進めさせるには、
どうすれば良いのか。

優しい言葉を与えるのか、

それとも敢えて厳しい言葉をいうことで、
一度ズダズダにこころを踏みつけて

そこに新たな前進力を生じさせるか。

どちらの方がよいのか、
相手を見定めることが何より大切。

相手を見定めるには、
相手のこころの微妙な機微を捉えることが何より大切。

微妙な心の機微を感じとるには、

わずかな季節の変化、
風の音を聞き分け、
風に漂う香りを嗅ぎ分ける。
そう、
自然観察力を鍛えることで、
感性を高めていく

それしかないと私(佐藤一斎)は思う。

ひとのこころとは微妙なもので、

現状とかけ離れたもの、
大きく違うものを
受け入れることは、
怖いから、
自信がないから、
気構えてしまい、
中々素直に受け入れることが出来ない。

しかし、

身近なもの、既に知っているものに対しては、
「怖さ」も「恐れ」も感じないから、

素直に受け入れることができるのだ。

しかし、「既に知っているもの」
には、ワクワク感がないから、
人の興味を引き寄せる
「引き寄せ力」は弱い。

それではどうしたらよいのだろうか。

「普通」「日常」の要素に

「微妙に違うもの」を組み込むこと。

その微妙さのセンスはとても大切だが、
それにより、
自然に人の心を惹きつけることが
出来るのではないだろうか。

その「微妙なもの」をどう生み出すか。

それには、自然の微妙な変化を観察すること。
しつこいよいだけど、それしかない!
その感覚をつかむこと。

それには一時の感情で流されることがないよう、
自らを律することが大切だ。

律するとは
こころのバランスを整えること。
こころの調律をすること。

こころと身体のバランスを整えないと
微妙なものに気づくほどの
こころの余裕など生まれない。

それには、

何があっても感情を顔に出さずに、
我欲を持たずに、
胆力を据えて
動じないこころを養うこと、

そして、

背中で情熱を語れる人間になろう。

それには、背中に届く位の情熱を抱くこと。

それにはどうすれば良いかって?

我欲を持たずに無心になれる自分を創りだす。

無心になるには、こころが納得していないといけない。
無心にならない限り、善い考えも浮かばない。

何をどうすれば良いのか、
考えがまとまらないと、
自信を失い、背も丸くなり、
背中で語れる人間にはなれはしない。

そんな自分を阻害する、
こころを ふさいでいるものとは何なのか。

それを見つけて、とりのぞくには、

こころの中に剣を持つこと。

余計な考えや、余計な誘いを切り捨てる

こころの剣を鍛えること。

「変な情報をつかまされた」
「人から騙された」など、
何か起こると、私たちはつい人のせいにしてしまうのではないだろうか。

よく考えてごらん。

他人のせいで騙されたの?

すべての原因は、
自分の中に余計な我見があるからではないだろうか。

だからこそ、こころに剣は必要なんだ。

こころの剣で切り捨てるべきものは、他人ではない。

あなた自身の心の雑念。

だけど、こころの剣の修行は難しいよね。

その雑念を切り捨てる、
その代わりになるものとして、お勧めなのが、
書を書くこと。

文字にすると
カッコいい文字を書こうと、文字に囚われてしまうから、
書くものは、数字の方が良いかもしれない。

白い和紙に、墨で書く、それを毎日続けることで、
自分のこころを強くしよう。
無心に、和紙と墨、陰陽の世界と向かいあうことで、
こころを強くすることができるよ。

そして、

自分の中の弱さを見出して、
そこに敢えて自分で踏み込んで、
そのずれを落とし込んでいく。

そうすることで、
虚心坦懐になれる自分を作りだしていこう。

虚心坦懐ってどういう意味?
有名になりたい、
注目されたい、という名誉欲を持たないことではない。

そんなの関係ないよって、
それを無理に避けようとすること自体も、
どちらにしても、意識していることだから、
これは、無心ではない。

お金も同じこと。
お金儲けをしてはいけないと思う事自体が、
意識しているから、
これも無心でないんだ。

真の虚心坦懐に至るためには、
計画を立案するときは、用意周到に行うが、
いったん腹が決まったら、
余計なことを考えずにスピード感を持って成すこと。
そうすると、
自然に時代がついてくる。

そして、
バカみたいに途方もない夢を抱きながらも、
些細なこと、小さな変化を見逃さない人物こそが、
大きな事が出来るひとだ。

それには、
まず、今出来る小さなことを
一つずつ大切に積み重ねることが大切ではないだろうか。

(言志四録超訳 16~30)

 

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